ホモデルフィナスのこと、地球の子供たちの中の末っ子のこと

  • URLをコピーしました!

“人類はあと200年は存続できないかもしれない”・・と言ってたことが正にロシアがウクライナに軍事侵攻・・それも自国民、自国の兵隊の多くに噓をついて実行した危うさにつながっていることに寒気を感じた。ジャックはこのようなことがおきることを心配してたし、こんなことにならないためにわれわれ人間はどんな価値観を確立しなければいけないかを自分の生きざまで証明したかったのだとつくづく思い知らされている。

ホモ・デイルフィナス(イルカ人間)…。イルカの心を持った人とでもイメージしたらいいかもしれない。  イルカの心とはどんな心か? と言われたら…いろんなことを言っていたので一言では言えないが、私なりに感じてことを言えば,子供の発想とか感性が一番近いのではないかと思っている。  いろんなものに興味を持ち、楽天的で、一つのことに良い意味で執着しない!  くよくよしないということらしい!
子供は遊びに夢中になればそのことに集中し、周りのことが気にならなくなる。それは見方を変えればおおらかともとれるし、多様性を認めるうえで大切な要素のような気がする。周りの環境を気にするなということではなく、自分の楽しいと思うことに夢中になるということは私たち大人が年齢を重ねるほどに失っていく、大切な栄養素のような気がする。 

ジャックが好んで口にしていた…“バクテリアを含めた全ての生命は、母なる地球の子供たちである。 人間もまた子供たちの一人である! しかも一番末っ子なのに自分たちが一番賢いと錯覚している! その最たるものは…(地球にやさしくなどと美辞麗句を語りながら、実は一番お母さんを苦しめているのはほかならぬ自分たち人間じゃないか・・・?)

ジャックは限りなく欲望を満たそうとする我々人間の行動にいつも腹を立てていた・・。
だから実際の生活はかなり質素だった。 洋服は数枚をとっかえひっかえ着ていたし、食事に関しても、兄嫁の作る料理にいつも感謝して食べていた…。納豆、アジの干物、秋田のハタハタずしに至るまでなんでも口にした・・・。
人間の可能性とか、進化とかに、子供のように興味を持ち夢中になっていたと思う・・。

「ナリタと私の間のコミュニケーションは、2%の言語と48%のボディランゲージと、残り50%のテレパシーを合わせて100%にして30年以上うまくやってきた・・・。」 と、ジャックはそう表現してはばからなかった。
私自身はかなり我慢をしてきたように思うが、私の2%の英語力では胸の内を伝えることはできなかったし、それはそれで(うまいことを言うなー)と思ってはいたが・・・?

 まあ深く潜るということに関してはどんなに逆立ちしても足元にも及ばない訳だから、尊敬の二文字がすべてを包んでいたことは否めない・・・。 私も若いころは一応素潜りで30メートル前後は潜って魚を突く競技をしていたこともあって、それなりの努力もし自信もあったのだが、30メートルを超えたあたりから、地上で肺の空気を吐き切った状況、つまりそこから先無理をすると咳き込む状態になり,水面に出てから咳払いすると真っ赤な血痰が出で、こわい思いを何度もしたことがあって、深く潜れること、それだけで崇拝に似た感情を持っていたと思う。何せ、マイナーなスポーツとはいえ、一応日の丸を背負って世界の選手と競っていたのだからそれなりのプライドだけは、私の気持ちの中では育っていたのだと思う。

努力だけではどうにも超えられない深さの壁・・・!若かった私もいつしか現実の実態から目を背け、ジャック・マイヨール個人…・・・・一人の人間としての生き方考え方に興味を持つようになっていったような気がする。

目次
閉じる