エピソード7 約1か月後に

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カリブに行くには、いったいいくら資金があればいいのだろう。

旅費さえあればいいというわけでもないし、しばし悩んだが考えはあることにすぐに移行した。  数十年前からシートで収集していた記念切手を半分売って資金を作ろう。そう決断して都内にある友人に連絡を取って、古銭や記念切手を買い取ってくれる店を探してもらい東京に行った。 意外だったことは,ふつう記念切手は時間がたてば多少買った時の値段より高くなるものだと思っていたが、実際行ってみると価格は店によって実にまちまちで、一番高額で買い取ってくれるところでも、確か定価の85%くらいだったような気がする。 解せない気持ちを抑えて、しぶしぶ70万円くらい手にして館山に戻った。

私としては情けないもので、それまでに海外には10回ほど出ていたが、ほとんど大会出場がらみだったり、常にだれかが一緒にいたので何の問題もなかったのだが、今回はチケットの手配とかトランジットの不安があったので、ジャックとの通訳をしてくれてた人にお願いし一緒に行くことになったので事なきを得た。 それにしてもカリブ海の真ん中にあるタークス&ケイコスは遠い!アメリカのどこかの空港で乗り継ぎマイアミまで行き、マイアミで一泊。 次の日バハマエアライン?で目的地のサウスケイコスまで行くのだが、途中2~3度も寄っていく。 プロビデンシャル、グランドタークと降り、グランドタークでセスナに乗り換えて行く。 さすがにここまでくればあることが蘇る。

ここは魔のトライアングルと言われているところなのだ! 物の本での知識でしかないが、この辺で突然消えた飛行機がいくつもあるとか? 機上から透き通るような海面を見ると転々とセスナの期待が海底に沈んでいるのが見える。思わず数えてみると、10機を超える。 信じられない光景だが後で聞いてみると、個人所有のセスナが事故を起こし、回収には大変な経費が掛かるのでそのまま放置している結果がこういう状況を作り出しているとのこと、なんともおおらかと言うか大雑把なことだと思った。

しかし、その後海に潜ったとき意外なことに気が付いた。 サウスケイコスの私たちが潜水したエリアの中にも20人乗り以上の少し大きめの飛行機が沈んでいて、そこはまるで竜宮城のように魚のアパートのようになっていたのである。50キロを超えるハタや、向こう側が見えないくらい色とりどりの魚たちの群れで、まさにごった返していたのである。 どんな水族館もこんな演出はできないだろうというくらい乱舞していた。

自然の創造のすごさに圧倒された。 他にも、今はワシントン条約で規制されているので人間は手を付けられないので、手つかずの高価な黒サンゴの林や、南の島特有の大型の、貝殻ショップでしか見たことの無い貝や、錦海老、五色海老、かの子伊勢海老などが、推進わずか2~3メートルの手の届くようなところにごろごろいるのである。

こういう手つかずの自然の残っているところは、人がめったに行かない所なのではないかと、つくづく考えさせられた。 なぜかというと、 日本から丸二日もかけて行ったカリブ海に浮かぶ島は、現地の人たちが多く住んでいる周辺は、工業化も進んでなく、高層ビルもなく、一見見ると私には美しい海水の透き通った美しい同じ景色に見えるのに、ひとたび海中に身を投じてみるとまるで違うのである。

ちなみに、私たちがスキンダイビングをした場所は、メーンの島から5~6時間モーターボートで走ったイグアナキーと言う普段は現地の人もいかない距離にある無人島で、何もないところで、驚いたのは体調1メートルはあろうかと思われる緑色したイグアナがごろごろいる島だった。はじめてその光景を目にしたときは、こんなところにテントを張って何拍もできるのだろうか?と不安に思ったくらいだ。

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