ジャックの生き方

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私が思うに、昔何かの本で目にしたと思うが、実際に体験してみると妙に納得できることにたどり着く。それは、人は自分に裁量権のあることをやっていると満足感や、達成感が違うし、ストレスも少ないのだということを強く感じるものだということ・・・!

複雑にいろいろなことを守らなければいけない現代社会において、いかにして自分の裁量権を確保して生きるか? そういう意味ではジャックマイヨールと言う人は、素直に、子供のような感覚で、本能的に裁量権を確保した生き方をしていたのかもしれない。 裁量権を確保するという事は、決まりごとの多くなった現代社会の中では、ごり押しとか,わがままと誤解されることの方が多いので、人の話を聞くことから入る日本人にはなかなかハードルが高いなーと思ってはいた。 だからジャックと私の意見の食い違いはもっぱらこのことで、今思えば、なぜもう少し彼の身になって考えてやれなかったのかと悔やまれる。 子供は自分のやりたいことを後先考えずにやりはじめるところがある。 ジャックもそれにかなり近い判断基準で行動することが多かった。

無理に近い要求をされて、 私も気持ちに余裕がなかったときは、…ジャック・そんなことは日本ではわがままと取られてしまうよ!…と言って、よくぶつかった…! 一時期、あまりに意見が合わなく私も悩んで、心の内を手紙に書いて、当時一番私が信頼していたB・B氏に英文に変換してもらうべくお願いに行ったことがある。 彼は私の話を聞くなり、…“分かった! あなたの言いたいことを、ジャックに正確に伝わるように私が英語に訳してみよう。その後で、私が英文にしたものを誰かまったくあなたとジャックの関係を知らない英語に熟知している人に日本語に直してもらってください! それを読んでみてあなたが言いたいことのニュアンスが合っているかどうか? 私に教えてください。ニュアンスが違っているところは直します・・・。” そう言って私の相談事を快く受け止めてくれた。

後日、彼に言われた通りに日本語に訳してもらい読んでみると、驚いたことに、私が言いたかった事が、私の表現よりはるかに的確に、それも私の言い回しより相手に対する尊敬のニュアンスも見え隠れしながら表現されていた。 その時私は、ハッと‼ 気づかされた。 …そうか!ジャックを人間と思うからいろいろ周りと見比べてやきもきするんだ。 ジャックはもともとイルカで、今は人間の姿をしているイルカの化身なんだ・・!と思うことにしよう。

そう思うことによって、以後ほとんどのことが穏やかにクリアできたと思う。従って私の気持ちを書いたジャックへの手紙は渡すことはなかった。

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