ジャックと交わした約束 1

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ジャックマイヨールさんと過ごした時間、交わした会話を少しずつつづります

ジャックがが語ったことによると、“成田!人類は下手をすると後200年は存続出来ないかもしれないと私は思っている・・・!     
理由はふたつある! 二つとも我々人間の限りない欲望が問題を起こしているのだが、その一つは人間同士の争いだ。

そして、いま一つは、だれもがこのままでは地球環境が壊れてしまうと薄々感じているのにそれを止められない我々一人一人の生き方だ・・・・!

このことを聞いたときには、何を言ってるのか理解ができなかった。そしてジャックはさらにこう言ったのだ!  ”世界には200か国以上の国があるが、その国々の人々が何を思いどうしたいのかを知りたければ、通訳を介して話し合えばわかるはずなのにこの地球上では絶えず数十か所で紛争が起きている。それも人間が人間を殺してしまうような争いだ。  言葉で分かり合うことは真のコミュニケーションだと私は思わない・・・!“    
当時私はこの言葉の深い意味が解らないままジャックにこう尋ねた。

(じゃどうしたらいいと思う・・?)

彼はしばらく考えてから・・・・”私は世界中の政治家に提案したい・・・!

例えばだが、各国の10歳前後の子供たちだけの国際会議を開き、どうしたら世界の人たちが仲良くできるか?どうしたら温暖化を食い止めることができるか?について話し合ってもらう。そこで決まったことを大人たちが間違いなく実行すれば、間違いなく大人たちが取り決めたことよりはるかに環境も平和も改善されると思う。

理由は・・・・・大人たちは理屈は理解していても、複雑なしがらみにがんじがらめになっていて思った通りに行動できないからだ…!“

感覚的に何となくわかるような気がする。そういえばあの頃ジャックはこんなことも言っていたのを思い出す。

”人類が真の平和と、美しい環境を手に入れたいのなら、便利なテクノロジーの半分…いや、それ以上を手放す勇気と努力が必要だ・・・!“  と・・・・・・・・。

ここにきて私は、かつてジャックが何気なく口にしていたことが妙に引っかかってくるのを感じる。多分あの当時ジャックは感覚的にどこにも迷惑や誤解の生まない相手として私にさりげなく話していたのだと思うが、聞かされた私は20年以上も経ってからこんなにもリアルに思い出すとは思いもしなかった。
今ウクライナで起きている現実は他人事ではなく、まさにジャックが危惧していた予感そのものではないだろうか?   ”我々人間の浅はかな価値観というか欲望が、自然も環境もそして自分たちの存続を含めた全てのものを壊してしまうという予感を彼は感じていたのではないのだろうか・・・?“
彼が晩年繰り返しつぶやいていた何気ない言葉が、私の気持ちの中で強烈なメッセージとして返還されていくような気がするのはどうしてなんだろう?
ここ数年そのこと頭がいっぱいになり、そのことを意識していると現実の不自由さもさして気にならないから、それはそれで幸せなことなのかもしれない。
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