ジャック・マイヨールメッセージ記念館

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よく年配の人に、”こんな田舎に建てて運営がうまくいくのかい?“ と心配されるが、従来の記念館とは少し趣が違っていて、写真とか資料の展示が主なものではなく、ジャックのメッセージを具体的に体験してみるとか, 解りやすく説明できる仕組みを考えている。繰り返すが、生前ジャックは“我々人間の価値観や、生き方を大きく変えることが必要だ…!”と言っていた。だから特に環境問題については、それこそ私たち一人一人が毎日の生活の中で、無駄なもの、必要最小限の選択にこれまで以上にさりげなくシビアになる必要があると思っている。これは理想論で終わるかもしれないが、記念館そのものがそういったジャックのメッセージを常に発信しているような…そういう建物にしたいと思っている。

具体的には、化石燃料をそれほど燃やさなくていい建物・・・。 これに関してはすでに検証済みである。発泡ウレタンで壁や、屋根裏の隙間を埋めるのはもちろんのことだが、感心したのは、窓関係である。キマド(木窓)を取り付けることが、断熱効果に抜群であることには驚いた。太陽光を取り入れて木窓を閉めれば、夜遅くまでぽかぽかだし、反対に、夏など室内が暖かすぎるときは、ほんの少しエアコンをつければ、後は電源を切っても数時間室温がキープされる。これこそ、限りある資源の節約につながることだと思う。 木窓はアルミサッシに比べ割高であるが、長い目で見てトータルで資源や経費を削減することが基本になるのではないか…? と思っている。さりげなく、当たり前に生活していて、これまでの無駄と思えるものがカットできれば・・・、そんなメッセージを発信できる工夫をしたいと思っている。

自然村での経験からも多くのものを気づかされたし、そこで出会った人たちから学んだものは大きい。お互いが一つの目的に対して、それぞれのモチベーションに変えて活動する。解りやすく言えば、その活動がある者にとってはストレスの解消であったり、また別の人にとっては感動につながっていたり・・・と、そんな空間、時間帯で会ったらいいと思う。

 ジャックが言っていた、”平和も環境も手に入れるためには、人と人、国と国との信頼関係の構築が基本だ・・・!“という言葉はまったくその通りだと思うけれど、互いに信頼関係ができる環境を整えるにはどうしたらいいのか? そのことを真剣に模索しなければいけないのだと痛感している。そういった意味では、ジャック・マイヨール記念館の役割は、ジャックのメッセージを実現するための行動を、記念館を訪れてくれた人たちが一緒に考え、活動できる空間でなければいけないと考えている。

 大した当てもなく歩き出してしまったこの怪しげな計画だが、最近、予想もしなかった方向に動き出しているように感じるのは、妄想しているだけで幸せになってしまう私の不治の病のせい? かもしれない…。例えば、私が10年近く、家庭菜園レベルでイチゴを作っているビニールハウスのために借りている土地の地主さんが息子さんとこの春に訪ねてこられて,「あなたに貸しているような小さな土地が十数か所あるが、荒れ放題になっている。図面と地番を郵送するので、自分で場所を確認して使える所があったら有効活用してもらえないか?」というのである。聞けば、長いこと地元を離れて東京で暮らしていて、年に数回墓参りに来るくらいだという。 長年それらの土地は知り合いの不動産屋さんに管理してもらっていたのだが、最近亡くなられて、状況が分からなくて困っているらしい。

この話をいただくまで、実は記念館を作るための木材を秋田や君津の知り合いの山から切り出したものの、それを備蓄しておく場所がなくてどうしようかと困っていた時だったので、この提案は正にドンピシャの話だった。その地主さんは今は東京で幼稚園を運営されている風格のある方だったが、息子さんも穏やかな紳士だった。こんな不思議な出会いがここにきて次から次とやってきて、ここの所嬉しい悲鳴とともに、さりげないプレッシャーにもなっている。

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